三軸圧縮試験の活用方法

室内土質試験のなかで、地盤の強さを計測する試験の一つに三軸圧縮試験があります。
ここでその試験方法を記述するのは困難なので、活用方法についてお話します。

一軸圧縮試験は、試験体に、z方向(鉛直方向)だけに載荷しますが、
三軸圧縮試験では、z方向だけではなく、x,y(水平方向)にも力を作用させます。

地中から採取した”乱れの少ない土試料”は、地中では、常に土圧を受けていますが、 地上では、土圧が作用しない状態となります。

周囲から圧力を受けている状態とそうではない状態を想像してください。 どちらが強いと思いますか?

もちろん、周囲から土圧を受けている方が強く、変形も小さくなります。

従って、三軸圧縮試験では、採取する前の応力状態を再現するために、鉛直方向と 水平方向の力を加えます。この過程を、”圧密過程”と呼びます。

採取した深度付近の土圧を含む圧力を3種類程度設定するのが一般的です。

“圧密過程”が終了すると、”せん断過程”に入ります。 ここでは、試験体にz方向の力を与え、地盤が破壊するまで力を大きくしていきます。

この”せん断過程”で、載荷中に作用する間隙水圧を計測する場合がありますが、 水はけの悪い粘性土の場合、せん断中に過剰間隙水圧が発生し、 土の粒子間に働く力が小さくなります。

過剰間隙水圧が大きくなりすぎると、土粒子間に力が伝わらなくなります。 この状態は、液状化現象と全く同じものです。

“圧密過程”と”せん断過程”において、供試体から水を抜くか抜かないかで、 試験結果は大きく変わります。

圧密過程で圧密を行い、せん断過程で排水を許しながらせん断する条件を、 『圧密排水(CD)』試験と言います。

一方、圧密後、せん断中の排水をゆるさない試験を 『圧密非排水(CU)』試験と言います。

CD試験は砂質土で、CU試験は粘性土で適用することが一般的です。

巷では、UU(非圧密非排水せん断)試験がよく利用されますが、 この試験は、土圧による拘束効果が全く期待できないので、 地盤の特性を十分に再現しているとは言えません。

また、せん断中に間隙水圧を確認する試験は、 “CU”などの試験要件を表す文字の上に横棒を書き”CUバー”試験と呼びます。

三軸圧縮試験の試験条件は、意外に適当に扱われていますが、 対象となる地層の土質や、荷重が作用した場合の挙動をある程度想定し、 条件設定をしなければ、正しい答えを得ることができません。

室内土質試験は、どれもユニークですが、緻密に考えられ、計測されているのです。

三軸圧縮試験から求めた地盤定数を用いて評価した地盤の許容応力度は、 SWS試験で得られた許容応力度の3倍程度の値となります。 皆様も是非、活用下さい。

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